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タイム (コモン タイム)
エッセンシャルオイル(精油)
タイム (コモン タイム) COMMON THYME
学名: Thymus vulgaris
科名: シソ科
種類: 草木
抽出部分: 葉および花序
(新鮮な、もしくは部分的に乾燥させたもの)
抽出方法: 水蒸気蒸留法および水中蒸留法
また一部は香水用として溶剤抽出法も行われています(フランス)
【 原産地・分布・生産地域 】
原産は地中海地方。スペインなどです。
現在はヨーロッパをはじめ、中国やロシア、アメリカでも見る事が出来ます。
【 芳香の系統・特色・表現、精油の色 】 ハーブ(ハーバル)系
★ レッドタイム(そのままの抽出オイル)
赤からオレンジ、茶色をしています。
温かい、スパイシーな、ハーブ調の香りがします。
☆ ホワイトタイム(再蒸留もしくは再精留したオイル)
透明から淡い黄色をしています。
甘い、さわやかな、レッドタイムと比べて穏やかな香りがします。
ノート(香りの種類): トップノート
香りの度合い: 強
【 主要成分 】
主要成分はチモールとカルバクロール(最高60%)、
シメン、テルピネン、カンフェン、カリオフィレン、ボルネオール、リナロールなど。
ケモタイプによってかなり差があります(参照:ちょこっと小話を (^o^)↓)。
◎ 心への癒し ◎
ストレスに、神経衰弱に。
抑うつ、精神的な外傷にも効果があります。
また神経強壮と脳細胞の活性化が、記憶力と集中力を向上させます。
☆ 身体への効能・効果・効用 ☆
不眠に。
頭痛に。
感染症、風邪、インフルエンザに。
悪寒に。
喘息、気管支炎、咳に。
のどの痛み、扁桃炎に。
鼻炎、カタル症状に。
消化不良、腹部の膨張感に。
下痢に。
関節炎、筋肉痛、ねんざに(スポーツによる怪我など)。
痛風、リューマチに。
小胞炎、浮腫、肥満、循環不全に。
○ 肌へ ○
切り傷に。
火傷、皮膚炎に。
膿傷、湿疹、皮疹に。
内出血に。
ニキビ、脂性肌に。
虫刺され、しらみに。
歯肉炎に。
♀ 女性と男性のために ♂
膀胱炎および尿道炎に。
【 アロマテラピーでの作用 】
鎮痛、鎮痙、鎮咳、神経鎮静、反対刺激、免疫・循環器系の刺激、強心、強壮、
発赤、血圧上昇、発汗、駆風、利尿、去痰、食欲増進、収斂、
抗リューマチ、抗菌、酸化防止、防腐、腸・肺・泌尿器系の消毒、抗毒、
殺菌、殺癬、抗微生物、寄生虫殺虫、虫下し、
瘢痕形成、催淫、月経促進作用があります。
【 ▼ 注意と禁忌事項 ▼ 】
高血圧の方、および妊娠中の方には使えません。
ケモタイプなど精油の種類にもよりますが、強力なエッセンシャルオイルです。
レッドタイム、ワイルドタイム、チモールCT、カルバクロールCTなどは、
どれもかなり多くチモールやカルバクロール(毒性のあるフェノール類)を含んでいます。
ですからこれらの使用には、特に注意が必要です。
リナロールCTやレモンタイム、また再蒸留によって刺激性の低くなったホワイトタイムなどは、
上記のものと比べて毒性、刺激性および感作作用が低く、皮膚にとってはこちらの方が安全です。
子供、お年寄りなどにはこちらの法が良いでしょう。
ただ、ホワイトタイムは混ぜ物がされている場合も多いようです。
相性の良いエッセンシャルオイル(精油)
カモミール、マジョラム、レモンバーム(メリッサ)、レモン、ローズマリー、ラベンダー、ラバンディン、
シダーウッド、ジュニパー、ティートリー、パイン、ペルー バルサム、
ベルガモット、マンダリン、などと合うでしょう。
タイムは薬草としては最も古くから使われていた植物の一つです。
西洋では呼吸器系および消化に関する症状に、また感染症対策にも用いられました。
(エジプト人はミイラの防腐にタイムを使用したと考えられています)
一般にタイムというと、この“コモンタイムThymus vulgaris”を指します。
タイムにはその他にも多くの種類およびケモタイプが存在します。
タイムのケモタイプ(CT)の例
Geraniol CT
ゲラニオールが多い。湿疹などの皮膚病、耳・鼻・のど・肺などの不調に。
女性の生殖器系の炎症諸症状に役立ちます。
Linalool CT
リナロールを約80%も含有。胃・腸内の殺菌、殺寄生虫にも有効。
比較的穏やかなタイムオイルです。
Paracymene CT
パラサイメンおよび多少のチモールを含有。関節炎およびリューマチに。
皮膚の鎮痛効果が高いタイプ。
Thujanol CT
強力な抗菌および殺ウィルス作用があります。クラミジアに。
消化器系や、男女共に生殖器外面のトラブルに役立ちます。
Thymol CT
局所的な感染症全般に対し効果が高い。強力な抗感染剤。
ただし場合によっては皮膚への腐食性がありますので、使用には細心の注意を払ってください。
天然の抽出物をレッドタイム、そして再蒸留された精油をホワイトタイムともいいます。
このホワイトタイムは再蒸留されることで刺激成分であるフェノール類、
つまりチモールやカルバクロールなどが除去されています。
ですから皮膚に対する作用などがレッドタイムと比べ、穏やかなエッセンシャルオイルになります。
タイムの名はギリシャ語の「チュモス」(香らせる)に由来する、という説があります。
現在でも香水の成分としても使われているほどです。昔も薫香として神殿で焚かれました。
ギリシャ神話のなかには
“ トロイ戦争の原因ともなった美女ヘレネの流す涙からこのタイムが生まれた ”
との描写もあります。
また、ヨーロッパにタイムをもたらしたのは、ローマ人であったと考えられています。
タイムの花言葉は“勇気”。
中世ヨーロッパではタイムがその持ち主に勇気をもたらすと信じられていました。
馬上試合に臨む騎士にはタイムが与えられ、
また女性達は騎士や戦士へ、タイムの葉を添えた贈り物をしたそうです。
現在、料理に欠かせないハーブの一つですね。
【 管理人の印象 】
手元にあるタイムのケモタイプはThymol CTです。
いかにもハーブという感じの香り、まあそのままタイムの香りなのですが、
濃厚な割には意外と柔らかく、甘い香りがします。
また成分のチモールおよびカルバクロールのためでしょうか、
オレガノGeraniol CTと、とても印象が似ています。
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