アロマテラピーの基礎知識 > ・エッセンシャルオイルに含まれる化合物の分類
・エッセンシャルオイルに含まれる化合物の分類
精油に含まれる、化合物の大まかな分類です。
○炭化水素類
テルペン類
●酸素化合物類
アルコール類
アルデヒド類
ケトン類
エステル類
フェノール類
オキシド(酸化物)類
ラクトン類
酸類
エーテル類
◇その他の化合物類
硫黄化合物類
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<特徴>
○炭化水素類
炭素Cと水素Hの二つの元素だけで構成されます。
酸素Oは含まれません。
●酸素化合物類
炭化水素類に酸素Oが組み合わさって構成されます。
エッセンシャルオイルの“香り”と“味”は主にこの“酸素化合物類”に由来します。
酸素Oが含まれるため、若干、水に溶けます。
(アルコールにはよく溶けます。)
◇その他の化合物類
炭化水素類、酸素化合物類に属さない、ごく限られたグループです。
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テルペン類
炭素Cと水素Hのみで構成されています。
そして“イソプレン単位(C5H8)”が基礎となっています。
動植物の生化学における、基礎的な組成です。
これが2つ繋がると“モノテルペン(C10H16)”、
3つで“セスキテルペン(C15H24)”となります。
4つだと“ジテルペン(C20H32)”となりますが、
エッセンシャルオイルにはほとんど含まれません。
なぜならジテルペン類以上の大きな分子となりますと、
エッセンシャルオイルの蒸留過程における分子量の限界を超えてしまうのです。
ですからエッセンシャルオイルにおけるテルペン類は
モノテルペン類、セスキテルペン類、そしてごく一部の精油に見られるジテルペン類
(有名なのはクラリセージのスクラレオール(アルコール類)。
これはジテルペンを基礎とする芳香物質です。)となります。
テルペンの事を“イソプレン骨格”、“イソプレン化合物”と呼ぶ事もあります。
それは、テルペン類がイソプレン単体ではなく、
組み合わされて存在する ためです。
テルペン類の名前は、~エン(~ene)で終わります。
○モノテルペン類
ほとんどの精油に含まれます。
特に柑橘系は、主成分のほとんどがこれで占められています。
空気中の酸素と反応します。
オシメン、カレン、カンフェン、サビネン、ジペンテン、シメン、テルピネン
ピネン、フェランドレン、ミルセン、リモネン
●セスキテルペン類
カジネン、カマズレン、カリオフィレン、ゲルマクレンD、コパエン、
セドレン、セリネン、テルピネン、ビサボレン、ファルネセン、フムレン
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アルコール類 (酸素化合物類)
酸素化合物類の中でも、とても変化に富んだグループです。
普通はモノテルペンを基礎としています。
セスキテルペンが基礎の植物性アルコールは少ないです。
(サンダルウッド(白檀)のサンタロール、ユーカリ類のフサノールなど。)
あ、そうそう、お酒の成分である“エタノール”は精油中には存在しません。
アルコール類の名前は、~オール(~ol)で終わります。
ただし、フェノール類など、アルコール類以外でも
この形で終わるものがありますので注意してください。
よく見られるアルコール類には、下記のようなものが挙げられます。
オリバノール、カラトール、ゲラニオール、サビノール、サンタロール、
シトロネロール、セドロール、ダウコール、テルピネオール、テルピネン-4-オール
ヌシフェロール、ネオメントール、ネロリドール、ネロール
パチュリーアルコール、ビサボロール、ピノカルベオール、ビリジフロール
ファルネソール、フェニルエチルアルコール、ベチベロール、ベンジルアルコール
ボルネオール、メントール、ラバンズロール、リナロール
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アルデヒド類 (酸素化合物類)
アルデヒド類はエッセンシャルオイルの組成成分として広く分布します。
香りに特徴があり、かるくフルーティな香りがします。
またアルデヒド類は、
皮膚刺激とアレルギー反応を引き起こす事がよくあります。
アルデヒド類の名前は、~アール(~al)
もしくは~アルデヒド(~aldehyde)で終わります。
よく見られるアルデヒド類には、下記のようなものが挙げられます。
アセトアルデヒド、アニスアルデヒド、クミンアルデヒド、ゲラニアール
シトラール、シトロネラール、シンナムアルデヒド、ネラール
バレラナール、ペリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ミルテナール
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ケトン類 (酸素化合物類)
ケトン類はとても安定した性質を持ちます。
それ以上、簡単に酸化されません。
構造的には、アルデヒド類と似ています。
ケトン類は、しばしば体の代謝に耐性を持ちます。
そのため変化せずに、尿の中に排泄される場合があります。
ケトン類の名前は一般に、~オン(~on)で終わります。
よく見られるケトン類には、下記のようなものが挙げられます。
アセトフェノン、イオノン、イロン、カルボン、カンファー
ジャスモン、タゲトン、2-ウンデカノン、ツヨン
ノートカトン、バレラノン、ピノカルボン、ピノカンフェン、ピペリトン
フェンコン、プレゴン、ペリラケトン、ベルベノン
メンチルヘプテノン、メントン
(ちなみに有名なケトン類に“アセトン”がありますが、精油中にはありません。)
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エステル類 (酸素化合物類)
エステル類は、それぞれに対応するテルペンアルコール
(テルペン類を基礎としたアルコール類)とその他の有機酸とで生成されます。
例えばベルガモットのリナリルアセテート。
これはベルガモットの果実が熟す時、含まれるリナロール(アルコール類)が
リナリルアセテート(エステル類)に変化するのです。
そう、果実やその植物が成熟しきった時に、あるいは花が満開になった時点で、
その生成レベルは最高になるのです。
エステル類の名前は、~イル(~yl)または~エート(~ate)で終わります。
よく見られるエステル類には、下記のようなものが挙げられます。
酢酸リナリル、オイゲニルアセテート、ゲラニルアセテート、サビニルアセテート
サビネンヒドレート、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォルメート
テルピニルアセテート、ネリルアセテート、ブチルアルゲレート
ベチベリルアセテート、ベンジルアセテート、ベンジルベンゾエート
ボルニルアセテート、ボルニルイソバレレート、メチルアントラニレート
メチルサリチレート、メチルブチレート、メチルベンゾエート
メンチルアセテート、ラバンズリルアセテート、リナリルアセテート
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フェノール類 (酸素化合物類)
フェノール類はその構造上、とても刺激が強くなりやすい、という特徴を持ちます。
大半のフェノール類の名前は、~オール(~ol、~ole)で終わります。
アルコール類と似通った名前ですが、
化学的にはまったく違いますのでご注意ください。
よく見られるフェノール類には、下記のようなものが挙げられます。
アネトール、エストラゴール(=メチルカビコール)、オイゲノール
カビコール、カルバクロール、クレゾール、チモール、メチルオイゲノール
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オキシド(酸化物)類 (酸素化合物類)
オキシド(酸化物)類はとても強い反応性を持ちます。
ですから様々な環境の変化に敏感に反応してしまうのです。
たとえば高温になったり、長い間、空気や水に暴露されたりすると、
簡単に分解されてしまいます。
オキシド(酸化物)類で最も重要なのは、シネオールです。
これは2種類ありますが、多くが“1.8シネオール”です。
(ユーカリから採られるものは“ユーカリプトール”とも言われます。)
オキシド(酸化物)類の名前は、
~オキシド(~ole、~oxide)で終わることが多いです。
(シネオールは違いますね。)
よく見られるオキシド(酸化物)類には、下記のようなものが挙げられます。
カリオフィレンオキシド、シネオール、スクラレオールオキシド
ビサボロールオキシド、ビサボレンオキシド、リナロールオキシド
ローズオキシド
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ラクトン類 (酸素化合物類)
ラクトン類は、一般にテルペン類とは関係を持ちません。
時に単純な、場合によって複雑な構造を持ちます。
普通は低揮発性です。
光毒性を持つ“ベルガプテン”などが有名ですが、他にも、
紫外線が無くとも皮膚の感作を誘発する
“コスツラクトン(コスタツオイル)”などもあります。
ラクトン類の名前は、特に一貫性はありません。
よく見られるラクトン類には、下記のようなものが挙げられます。
アラントラクトン、アンブレットリド、キサントトキシン、クマリン
コスツラクトン、コスツノリド、ベルガプテン、ペンタデカノリド
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